急性心筋梗塞の診療方針
■発症から12時間以内で急性心筋梗塞と診断されれば緊急冠状動脈造影(心臓カテーテル検査)をおこないます。場合によっては、12時間を越えていても実施します。
■カテーテルが準備できるまでに、抗凝固薬(ヘパリン)の点滴を開始します。経静脈的なtPA(血栓溶解剤)の投与は行いません。
■高齢を理由にカテーテル検査・治療を行わないという選択はしませんが、患者様やご家族が希望されれば、保存的に経過観察だけを行うこともありえます。
■バイタルサインが安定していれば橈骨動脈アプローチでカテを行いますが、不安定なときは大腿動脈アプローチで実施します。
■再潅流療法はバルーンでの拡張、ステントの留置が基本ですが、血栓が多くバルーンだけで再潅流出来ない場合は血栓吸引療法や血栓溶解療法を併用することがあります。
■薬剤溶出制ステントは現在のところ、急性心筋梗塞に対して適応が認められていませんので、当院ではBMS(従来型のステント)を使用しています。
■循環補助として、大動脈内バルーンパンピングを行うこともあります。さらに重症の場合に備えて、PCPS(経皮的心肺補助法)も用意しています。呼吸状態・意識状態が悪化するときは気管挿管し人工呼吸器を装着します。
■カテーテル終了後は集中治療室に入室していただきます。(したがって、集中治療室が満床の場合は、入院依頼をお受けすることが出来ません。)
■リモデリング(心筋梗塞後の慢性心不全)を予防するために急性期から、β遮断薬、アンギオテンシン変換酵素阻害薬、アンギオテンシン受容体拮抗薬などを適宜使用します。
■スタチン(高脂血症治療薬)は心筋梗塞の二次予防に有効であるとの報告がありますが、当科では健康保険の適応範囲内で投与させていただいています。
■当院では現在心臓血管外科の手術を行っていません。緊急の手術が必要な場合は適切な施設に紹介させていただきます。医師が救急車に同乗し責任をもって、お送りさせていただきます。